フルートに挫折した少女の物語「アレグロ・ラガッツァ」を読んだ

アレグロ・ラガッツァ

いつもご覧いただきありがとうございます!

今年最初(もう2月に変わっちゃいましたが)の投稿は読書レビューです。

朝日文庫、あさのあつこ作「アレグロ・ラガッツァ」を読みました。

本屋さんで目の端に映った

お正月明けごろだったか、街の大きな本屋さんで、平置きされている文庫の帯が目に止まりました。

吹奏楽。。。もう一度やりたい!

イラストには、フルートとかわいい女の子。

(あとでよく見たら、ピッコロであることに気づいたのですが)

「アレグロ・ラガッツァ」・・・?

さらに帯には小さい文字で、中学時代にフルートに挫折した主人公の物語であることが書かれていました。

こ、これは。。。

私のための小説??とにかく気になる!と。

というのは、このブログにも少し書いているとおり、私は中学時代吹奏楽でフルート担当でした。

挫折。。。というほど、厳しい環境でもなく、どちらかというと、興味を持続できなかったのです。

完全、放任主義の部活だったので。

(私のフルートは、今にして思えば、ほぼ独学でいい加減なんですね、つまり。汗)

大人になって、音楽を再開してみようかなぁ。。。と、今はこんなこと、になっているわけですが。

「もう一度吹奏楽をやりたい!」という帯のフレーズは、ストレートで、とても共感するものがありました。

いろいろな事情で、このフレーズに共感する人って、多いのではないかな。

昨年、文庫版になった

さて、すぐにこの文庫を買うか?となったときに、ぜんぜん知らない作者さん。

一旦、中古を探してからにしようか。と時間のあるときに検索してみると、文庫としては新作だったようで、ほとんど中古がネットに出ていません。

(ハードカバーは、2016年10月出版)

それなら。。。と、再び本屋さんに行ったときに、買い求めたわけです。

購入した日に、一気に読みました。2時間位で。

可愛い表紙だったのですが、ライトノベルではなく、児童文学から歴史小説まで書かれている作家さんなのですね。

あさのあつこさん。

非常に文章がしっかりしていて、爽やか、かつ情景が目に浮かぶ美しい日本語を書かれる方でした。

楽器演奏者には気になるフレーズ盛りだくさん

内容の感想、気になった言葉、をいくつか紹介します。

まずは、人が楽器を選ぶのではなく、楽器が人を選ぶ、という、中学の顧問の先生の言葉ですね。

特に、フルートは人を選ぶ。と。

リアリティを感じるフレーズです。

楽器を習っていると、良く聞く話でもあるので。

この「真理」(かどうかは、わからないけど)を常識的に知っている部活では、ちゃんと先生なり、有識者が、新入生の楽器を選んであげるのですね。

当然、私の中学ではそんなことはなく、ジャンケンでしたよ!💦

フルートは人気の楽器なので、まあ、そういう学校もあるとは聞きます。

(なので、ジャンケンに強い人が多いパート、という噂も・・・)

でも、私がそれなりに「ちゃんとした」吹奏楽部に初めて入っていたら、きっとフルートパートには、なれなかっただろうと思います。

不器用だし。音楽の素養がなかったし。

じゃあ、何の楽器なら。。。。っていうと、思いつかないんですがね。。。

はっ、話が自分のことにそれました。

(と、このように、楽器経験者にとっては、主人公に投影して、非常に自分の内面も見つめ直すことのできる、骨格を持ったストーリーだったといえます。)

ここから、ややネタバレあり

楽器選択に関わる展開でいうと、最終的に主人公は、ピッコロパートとして高校で吹奏楽を再開することになるのですね。

先輩に選んでもらって、かつ、なんとなく、自分にあっているかも?というおぼろげな自信の中で、努力をしていく。

結構手応えを感じる。

そして、最初のコンクール。。。。までの主人公の成長。

中学の時、不本意な別れ(仲違い、とまではいかないけど、違う道に進んだ)をした親友との意外な形での再開。

再び吹奏楽にチャレンジする勇気をくれた、新たな親友たちとの出会い。

そういうのが、作者の清々しい日本語で綴られた、笛好き、吹奏楽経験者にぜひ読んでほしい一冊でした。

(本当に専門的なところは、うまくぼかして書いてあり、かつツッコミどころもない書き方だったので、イライラすることはないと思います)

さてはて、私はクリスタルフルートに「えらばれて」いるのかな?

勝手にこだわっているだけ?片思い?

そんなことは、考えちゃいましたけど。

読後感、爽やかですよ。


アレグロ・ラガッツァ (朝日文庫)